「ごめいさん」の語源
令和3年9月
よくある質問の回答
「ごめいさん」の語源
保護者の方の中には、ご自身が幼少の頃、そろばん教室やそろばん塾などでそろばんを習った方もおられると思います。
そんなとき、教室の中で「ごめいさん」あるいは「ごぅめい」という言葉を耳にされた方がおられるかもしれません。
この言葉は、「願いましては」と同じように、そろばん塾などでしか聞かれない独特の言葉です。
漢字で書けば「御名算」とか「合明算」かもしれません。
その言葉の意味は、「今のあなたの計算は正しいです」という賞賛の意味です。
かつて企業でそろばんが主役だった頃、一日の業務が終わった最後に現金と帳簿が見事に合致した時にも使われました。
日本銀行では「ピッシャリー」ということばが日常化していたとのことです。
今でも「ドンピシャ」などの言葉があります。
当育英そろばん教室の子どもたちは、教室に入ると先生から指示されることもなく、すぐにそろばんの上に1から9までの数を横に並べ、その数を何回も足していきます。
1億2345万6789です。
いわば「指ならし」です。
これを9回足すと1がきれいに並んで 1,111,111,101 となります。
そろばんの級がまだ低い生徒は12,345や12などレベルに合わせた数を何回も足します。
この計算を江戸時代から「地算 (じざん)」と言いました。
広辞苑には「素地になる計算」と出ています。
その類語として、地唄、地酒、地場産業、地侍・・・などの言葉があります。
育英そろばん教室 珠算教育研究所元主任研究員 谷 賢治